私はもともとインドアなタイプ。
大人になってから出会った人にそう言うと、「絶対嘘やん、山登ったりしてる人が」と返ってくる。
確かにsnsだけの世界を見ると、仕事でも休みでもどこかしらに行っているように見えるだろうけど、それはそういう時しかsnsを更新しないから。
本来休みの日は一日中寝てたいし、ベッドから動きたくないし、iPhoneのヘルスケア記録で最小歩数は1日6歩。
「山登り、楽しい?」
最近よく聞かれるようになった。そんなイメージがつくようになったなんて、恐れ多い…私は本当に普段からトレーニングとかちゃんとしていないタイプなので、毎回ひーひー言いながら登っている。
そして楽しい?って聞かれると「楽しい!」と答えることができるのだけれど、「何が楽しい?」と言われると、めちゃくちゃ悩む…
あれ?何が楽しいんやっけ?
正直登り始めの30分くらいは毎回後悔してる。もう帰りたい…こんな早起きしてわざわざ休みの日しんどい思いしなくても…とか思っちゃう。
肺が慣れて来たら周りをを見る余裕ができて、光や違和感のあるところを探すのが楽しくなってくる あ、これは【楽しい】部分だ
そして、ゴール前はいつもしんどい。
先人達はラストスパートを盛り上げるためにわざとコースを急登にしたのか?そんなことしなくても頑張って登って来たので感動できますよ大丈夫です、ゆるやかにして…のお気持ち。毎回思うから絶対にわざとそうしてる。
稜線があれば尚最高。わたしは稜線か湖があるとテンションがあがるみたい。
もちろん目的地に着いたときの達成感はすごい。すごいけど、これはなんか【楽しい】とは違う気がする。大体着いた時は、いかにベストスポットでご飯を食べるかを考えて、見晴らしがよく、人がそんなに居ない、そして風が強すぎずバーナーが使えるところを探すことに全集中。
ただこれは登山者全員が同じ思考を張り巡らせているので、土日に登ることが多い私たちには運次第なところもある。
一度、人が沢山いる山に飽き飽きして、獣以外誰も居なそうな山を探して登ってみたけど、野草は身長以上に伸びていて、山道かどうかもわからず、そして10歩歩けば足にヒル10匹みたいな地獄を味わってギブしたので、ある程度人が入っている山、有名な山ってちゃんと理由があるのだと、人がいない方がいいとか言ってごめんなさい、と思った。
話を戻して山頂やビューポイントでのご飯はもちろん最高。山でできるちょっと工夫したご飯を作って食べたらいつもより大声出しちゃうし、カップヌードルを持って行っても大きい声出しちゃう。頑張った後の、自然の絶景の中で食べるご飯は最高。
ただ、これをしたいから山に登っているかと言われたら、それが100ではない…
くだりは軽やかに、トイレ問題と滑り転けさえクリアすればそんなにしんどくはない。
私がパートナーに悪態を付くのは、しんどい登りの時に呼吸のペースを作っているのに喋りかけてくるときと(ただの楽しい会話なんだけれども余裕がない)、「もうちょっと!」って言われる【もうちょっと】が全然私の【もうちょっと】じゃなくてしんどい時間が長すぎるので正確な距離とか時間を教えてくれというとき(これも優しさの鼓舞なんだけど)
甘えていいとわかってしまっているので2人で登る時はついつい悪態つきがち。ごめんよ…
友達が一緒の時はセーブできるから、完全に意識の問題で、毎回気をつけようと思うのだけれど…
山で出会う人はもれなく全員、違う国の人でも、助け合いの精神と優しさがあって、これは本当に独特の文化だなと思う。
世界中みんなこうだったらいいのに。この先はこうだとか、こんな時はこうしたらいいとか、先人達はいろんなことを教えてくれる。これも山の好きなところ。(ただ、人が多い時、しんどい登りのタイミングでの挨拶合戦は体力のない私には声にならない時もある…精進あるのみ。でもやっぱり人が多すぎない方がいいのも本音)
下りてからのお風呂も最高。下りた時のお風呂まで毎回検索済み。そこで冷たいビールが飲めたらより最高!
で、次の日はしっかり筋肉痛。先月行ったアルプスの次の日は、目が覚めた瞬間から「あ、身体動かん」と声に出た。ベッドから一人で降りれず、冗談でなく産まれたての子鹿のような足取りで1日を過ごした。ちょっとした段差も激痛。何も使い物にならないのでハードな山の次の日は予定を入れてはいけない。
日々トレーニングをしているわけでもないし、体力もないので毎回身体がボロボロで、帰ってきた時は、スクワットくらいしよ!とか思うのだけど、まだ一度もできていない…
そんなに辛かったのに、登ってる途中で後悔したり、意思に反して足が動かなくなったりするのに、帰ってきた翌日にはあら不思議、また行きたいなあ…とか思っている。これは本当に摩訶不思議。
何が楽しいのか答えれるよう、自分でもわからなかったので書き起こしてみたけど、明白な答えをが出なくて難しい。ただ、あぁ、そろそろ山に行きたいなあ…という気持ちが強くなった。
【楽しい】何かを見つけるべくへっぽこ登山道はつづく…